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第36回 人工知能学会全国大会 参加報告

更新日:2023年7月19日

テクノロジーによる自殺予防の仕組み作りを行う非営利型 一般社団法人ZIAI(所在地:東京都渋谷区 / 代表:櫻井 昌佳 / 以下、当団体)は2022年6月16日に第36回人工知能学会全国大会(以下、JSAI)に参加し、講演「チャット形式心理カウンセリングにおける応答率向上のための補助システム開発に向けて」を行ったことを報告します。



■講演内容の概要


□論文の概要


基本情報:

牧野晃平,二瀬颯斗,石崎優人,櫻井昌佳.チャット形式心理カウンセリングにおける応答率向上のための補助システム開発に向けて.第36回人工知能学会全国大会.2022.


論文ファイル:


□応答率の低いオンラインチャット相談


昨今の日本における自殺数の増加に対し、SNS等を活用したオンラインチャット形式による心理カウンセリングなどの取り組みが盛んに行われています。


こうした手法は相談窓口等に実際に足を運ぶよりも手軽で、相談までの心理的障壁を下げる意味で効果的ですが、相談申込数に対してカウンセラーの数が全く足りていないという現状があります。2018年の統計ではオンラインチャット相談の応答率は2.7~21.4%ほど*となっています。


*2 自殺総合対策推進センター 『平成30年度 革新的自殺研究推進プログラム 研究成果報告書』



□業務フローの効率化によって応答率を向上


当団体はオンラインチャット相談の業務フローを効率化させることで、チャット相談の応答率を上げるべく研究開発を行なっています。


現状のAI技術によって人間の心情の機微を察知し、心理カウンセリングの全ての業務を代替させることは困難ですが、業務フローの一部にそうした技術を導入することでカウンセラーが相談者との対話に集中できる環境を整備することができると考えています。




□当団体の取り組み


相談者とカウンセラーとのコミュニケーションを効率化に向けて、事前質問や状況聞き取りのためのチャットボットや、それらから得られた情報によって対応優先度を測るための仕組みの開発及び検討を進めています。



■今後の活動について

相談者からの評価が高かった過去の対話内容をカウンセラーにレコメンドする仕組みや、事前質問から相談者のリスクを算出する仕組みなど、チャット形式心理カウンセリングの応答率向上に向けて、補助システムの各モジュールの開発を引き続き進めてまいります。



■概要


□人工知学会全国大会について

人工知能に関連する国内の研究者が一堂に集い,研究成果を発表する場として開催している年次大会。人工知能に関連する最新の技術動向,新しい研究成果やアイデアなどの発表を通して,意見交換・交流を行っています。


2022年度 人工知能学会全国大会 (第36回):https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2022/


□非営利型 一般社団法人ZIAIについて

自分を殺すのではなく、自分を愛せる社会を創ることをミッションとした非営利Tech集団です。AI×カウンセラーによる新たな相談体制の構築をはじめ、テクノロジーを軸にした自殺予防の仕組み作りを行っております。メンバーは社会起業家やスタートアップのCTO、海外在住のデータサイエンティストなど、それぞれが本業を持つスペシャリストで構成されております。


自殺行為自体を未然に防ぐことは、この問題の根本的解決ではありません。それに至った背景や原因を取り除いて初めて、その対象者にとって意味のある活動になります。ZIAIは今後もテクノロジーを軸に、国や地方自治体、医療や教育機関、NGOとの有機的な連携を促進し、自殺念慮を予防するための解決策を模索し続けます。


公式ウェブサイト:https://www.ziai.jp/

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